97年11月6日
国会(消費者問題等に関する特別委員会)にて



前提
質問に立った青山二三代議士(当時、新進党)は、実名公表された朝日ソーラー
の苦情・相談件数が93年660件、94年1017件、95年1128件、
96年1646件だったとの及川理事長(国民生活センター代表)の答弁を受け、
こう述べている。

青山
ただいまお答えがございましたように、このように、(朝日ソーラーは)三年連続で
千件の苦情を超え、営業活動改善の要請をしてもそれを受け付けなかった、そういうことで
社名が公表されたと聞いております。
実は、日本アムウェイ社の苦情も、全く同じPIO−NET (全国の消費者センターとの間を
結ぶコンピューターネットワーク)で苦情数字がここ四年連続で千件を超えていると聞いております。
しかも、昨年度などは千五百件以上とも聞いておりますが、これに間違いはございませんか。

及川
ご指摘の数字は、端数では若干違っておりますが、ほぼ間違いないのかなと思っております。
ただ、この数字の中には、朝日ソーラーの場合と違いまして、商法が特殊な商法でありますから、
商法それ自体に対する不審についての問い合わせがほぼ半数入っておりまして、加入する前に、
それが我々のよころへ寄せられた問い合わせ相談として解決されている事例もございます。
そういう意味で、単純に朝日ソーラーの数字と、朝日ソーラーの場合には完全に契約した後の
被害というのが大部分でございましたけれども、この場合と、単純な数字の比較は必ずしも
できないことがあるのかも知れないと思って、私どもは重大な関心を持ってそれぞれについて
調査をしているところであります。

青山
今御答弁がございましたけれども、いろいろな、朝日ソーラー社では被害があった、そういう数字で
名前を発表した。日本アムウェイ社の社名は、問い合わせとかそういうもので被害ではないと
いうようなことで発表しないんだということではございますけれども、やはりこんなにたくさん
相談が寄せられている。
国民生活センターだけではございません。日本消費者連盟には、毎日、相談がない日はない。
中には、もう、のめり込んでしまった家族が大変困っている。中には、今までの事例では、
自殺未遂まで起こしている。こういう自殺未遂をする人が、国民生活センターに、
困っているので自殺したいんだけどもどうしましょうなどという質問はしないはずでございます。
あるいは問い合わせの相談かもしれない、日本アムウェイ社とはどんな会社なのだという
問い合わせもあるかもしれませんけれども、やはり氷山の一角ではないかと思っております。
この千五百件、四年連続して千件を超える、そのほかにもいろいろなところに相談が
寄せられる、こういうことでございますので、私は、もうこの辺で(実名の)公表を
してもよいのではないか、このように感じておりますけれども、いかがでございましょうか。

及川
私どもは、過去に社名を公表した事例は十件ほどございます。
もちろんその中には件数が非常に多いということで公表したものもありますし、
あるいは件数が数件であっても、生命、身体に重大な被害が及び、その被害が拡大
するおそれのあるものについては、それぞれの措置を講じた上で公表してきております。
本件についても、おおむね千件の苦情ないし問い合わせが四年間続いているわけでありますので、
私どもとしては、それぞれについて調べたり調査をしたりいたしております。
全体のうち、約五割が苦情であります。しかも、この会社に関する件について言えば、
本人からの相談が約五割、周囲の人達、親や兄弟や友人や周りの人が非常に心配しているという
相談が約五割あります。そういう実態も踏まえまして、事実の調査というのはほかの案件
と比べて非常に困難であり、そしてさらには、朝日ソーラーの場合と違って、具体的には
法令違反が顕著にあるという案件でもございませんので、調査は慎重にいたしております。
そして、対応策についても、それぞれの担当部長から会社のそれぞれの関係者に改善の要望
をしたりしている最中でございまして、その経過も踏まえ、デュープロセスの手続きも経た
上で、必要に応じて社名公表を含めて検討していくことにいたしているところでございます。
(議事録より抜粋)

以上の記事は「アムウェイビジネスへの大いなる疑問」山岡俊介(あっぷる出版社)
P106「国セン理事長が苦情・相談がダントツに多いと国会で証言」より。


画像記事販売開発より)